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下肢の動脈

by Kazuyan. 0 Comments

下肢に血液を供給する動脈幹は大腿動脈である。第4腰椎の高さで腹大動脈が左右の総腸骨動脈に分岐し、ついで内腸骨動脈と外腸骨動脈に分岐する。外腸骨動脈は血管裂孔を通り大腿動脈となる。

大腿動脈 (femoral artery)

大腿動脈は鼠径靱帯のほぼ中央、下に位置する血管裂孔を通って大腿の前面にでて、大腿三角をほぼ垂直に下行する。大腿動脈ははじめ縫工筋の内側縁に沿って走り、大腿の中央部で縫工筋の深側に位置する内転筋管に入る。ついで内転筋管を後方に走り、内転筋腱裂孔を通って膝窩に達して膝窩動脈となる。枝として以下のものがある。

  • 浅腹壁動脈
  • 浅腸骨回旋動脈
  • 外陰部動脈
  • 大腿深動脈
    大腿動脈の最大枝で、大腿に分布する主動脈である。大腿深動脈は、鼠径靱帯の約5cm下方で、大腿動脈が大腿鞘から出た直後で、その後側から起こり、大腿の深部 (長内転筋の深側) を下行する。 大腿深動脈は大腿の筋に分布する筋枝のほかに、内側大腿回旋動脈、外側大腿回旋動脈、貫通動脈の枝を出す。

膝窩動脈 (popliteal artery)

大腿動脈は大内転筋の腱裂孔(内転筋腱裂孔)を通って、大腿後側に達し膝窩動脈となる。膝窩動脈は大腿骨遠位端と膝関節包との後面に接して下行し、膝窩筋の下縁で前脛骨動脈と後脛骨動脈に分かれる。

前脛骨動脈 (anterior tibial artery)

前脛骨動脈は、下腿骨間膜上部の裂孔を越え、骨間膜の前面にでて下行し、下腿の前外側にある筋とその付近に枝を送る。前脛骨動脈は足関節のすぐ上方で表層に現れ、足関節の前側で前脛骨筋腱の外側に沿って走り、伸筋支帯の下を通り足背動脈となる。

※ 足背動脈の脈は長母指伸筋腱と長指伸筋腱の間で触れることができる。

後脛骨動脈 (posterior tibial artery)

後脛骨動脈は前脛骨動脈よりも太い。下腿後側で、ヒラメ筋と深層の屈筋との間を下行し、付近の筋や脛骨に枝を送る。後脛骨動脈は脛骨神経や後脛骨筋、長趾屈筋、長母趾屈筋と共に足根管を通過し、その後、 内 ・ 外側足底動脈に分岐する。

※ 内果の後方部では後脛骨動脈の脈を触れることができる。この動脈は屈筋支帯の深層をくぐるので、足を内反させて屈筋支帯をゆるめると触知しやすい。

  • 腓骨動脈
    後脛骨動脈の起始部近くで起こる後脛骨動脈の最大の枝で、腓骨の後側に沿って下行し、腓骨と近くの筋に枝を送る。
  • 内側足底動脈
    内側縦足弓に沿って走り、主として母指に分布する。
  • 外側足底動脈
    足底を内側に向かって弓状に横走し、足底動脈弓をつくる。

下肢の脈管

MichaelSchünke (著), 坂井 建雄 (訳), 大谷 修 (訳) : 
『プロメテウス解剖学アトラス―解剖学総論/運動器系』, 医学書院, 2007, p.464